特定疾患「もやもや病」とは
ワイドルフ(@yd59ktn)です。
よくモヤモヤとした気持ちの人が「もやもや病」だって言うのもよく聞くけど、それもやもや病は違います。
最近では徳永英明さんが罹患したということで知った人も多いのではないかと思いますが病気の症状や原因などは知らない人が多いと思います。
そんな方に向けて、息子の発病から手術、退院等にいたるまでに勉強したことをまとめました。ちなみに私の息子は「もやもや病」という病気です。2歳で発症してから現在経過観察中です。
特定疾患ってなあに?難病との違いは?
特定疾患とは難病の中でも特に厚生労働省が定めた病気のことをさします。
指定難病とも呼ばれ、難病の中でも特に国が治療法の研究を進めるために治療費を助成する病気に指定されています。
難病は原因が分からずに治療法も確立されていない病気のことです。長期間の療養や社会的な生活に制限がかかり、大きな負担を強いられることが多いです。
これまでは56疾患しか有りませんでしたが、近年大きく制度が変わって、平成29年4月には330疾患もの指定難病が増えました。
有名な病気には「パーキンソン病」「筋ジストロフィ」「後縦靭帯骨化症(OPLL)」などがあります。
病名の由来は?
脳の血管に発症する病気で、血管が細くなることで血液循環が悪くなり、脳梗塞や脳出血、しびれるなどの発作がおきやすくなる病気です。
息子は実際に軽いのも含めて脳梗塞を最低でも3回以上はおこしました。その度に脳の機能が制限されて後遺症が残っています
CTやMRなどの脳血管検査で頭の血管がタバコの様にもやもやと写ることから名前がつきました。英語では「Moyamoya Disease」とそのままです。
原因は?
難病のほとんどがそうですが、原因は分かっていません。
この病気は日本・中国・韓国などのアジア人、女性に多く、発症年齢は5-10歳と30-40歳の二峰性分布を示します。
また、特定の遺伝子(ミステリン:上記に記載)を持っていると発症しやすいことが分かっており、親子間や兄弟間で10%ほどの遺伝確率が認められているそうです。
どんな症状がでるの?
主に血流不足での発作症状が起きます。発作は一時的に起こり、数分で回復することが多いです。
発作の種類は手足の痺れ・言語障害・痙攣などの不随意運動などがあります。
- うどんやラーメンをふーふーと冷ます時
- リコーダーやピアニカを吹く時
- 走るなどの息が切れる動作とした時
- 泣いた時
などで出ることが多いです。
また、小児期の発症だと知的などの発達障害が残ることも有ります。
どうやって診断されるの?
CTやMRなどの脳血管検査で診断されます。
息子ははじめの病院で単なる一過性のものだという診断をされて、処置をしてもらえませんでした。症状が長引いたので医者から大きい病院に紹介され、そこで診断~手術へと進むことになりました。
大きな病院や、脳外科でもやもや病の経験がある医者なら判断してもらえると思います。
手術は?治療は?
閉塞した脳血管は二度と戻ることはありません。
その代わりの血管を人工的に造りだすためにこめかみや脳の表面にある血管と脳大道動脈とをつなぐ血管バイパス手術が行われます。手術をしないと良くなりません。
手術には大きく2つ有ります。
直接パイパス手術
直接血管同士をつなぐ方法。
頭皮にある血管と脳の細くなっている血管の先端をつなぎ合わせて外から直接脳に血液を送り込みます。術後直ちに血流は回復しますが、繋いだ部分しか血流量が改善されないのと、小児では血管が細すぎて難しい。幼児の場合は脳を開けてみてその場で判断する様です。
間接バイパス手術
血管を多く含む筋肉の膜を脳の表面において、自己治癒力を頼りに血流量を補い、増やして行く方法。
直接バイパス手術と比べれば容易に手術が可能です。血管が再生されるまでは数ヶ月もの時間がかかります、血流の足りていないところまで広範囲にわたって供給出来るメリットがあります。この方法は大人だとあまり使われません。
ただし手術には術中の脳梗塞や輸血による感染症、水頭症などのリスクがあります。
投薬治療
薬だけの処置では梗塞していく血管に対して限界があります。ここが難病と言われる部分で、梗塞を止められる薬は今の所発明されていません。
基本的には手術をすることで改善させることが多い様ですが、並行して薬による投薬治療も行います。
血液をサラサラにする「アスピリン」などをよく聞きますが、合併症に応じててんかんなどの薬を処方されます。
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病気の経過は?
血管の閉塞は進行し始めて完全に閉塞して終末となります。
その期間や速度は人によって違い、脳の血管の本数も違います。
半年、1年毎に定期的に検査を受けて判断してもらわないといけません。
約7割の患者さんは完全に復帰して学校や社会へと出ており、妊娠・出産を経験された方もいます。
しかし合併症や後遺症が残ってしまうこともしばしばあります。
後遺症は運動麻痺・言語障害・高次機能障害・てんかん・慢性的頭痛など多岐に多岐にわたります。
最後に
まず、診断されたときは何とのいえない感情に押しつぶされそうになり、毎日涙を流していました。手術を何回も繰り返し、いつ死んでもでもおかしくない状態の中、1年以上の入院生活を一緒に過ごしてくれた妻に感謝しています。
今は病状もが落ち着いて、術後安定して発作などの症状がかなり少なくなってきていますので、少しは安心できるのでしょうか。
もしもやもや病だと疑うような症状が出た場合は、
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しつこくても良いから医者に尋ねること。
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頼りないならすぐに見切ってセカンドオピニオンor紹介状を書いてもらって大きい病院で検査してもらうこと。
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良い先生が見つかったらよく相談して先のことを決めること。
ということをおススメします。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。